傷だらけの纏足。

足の至るところに水ぶくれができている。一年ぶりに履いたサンダルのせいだ。 私の足は少し特殊で、市販されている靴の殆どが足に合わない。そのことに気が付いたのはほんの数年前のことで、それまで自分と靴の相性が悪いのは安い靴しか履いたことがないからだと思っていた。あるとき意を決して、1か月分の食費よりもさらに高い靴を買った。これまでの靴とはつくりが違う。しっかりと足を支えるその靴も、しかしこれまでの靴と同じように私の足を痛めつけ、皮膚は破れ、傷みだけが残った。 時折、無駄だと分かりながらもデパートの靴売り場に足を運ぶことがある。フロアの棚に無数に煌めく、女性たちの足元を彩る小さな歩行器具に囲まれて、それらが何一つ私の足を包み込むことはないという事実に打ちのめされる。 探して、探して、探して。やっと見つけたそのサンダルは、それでもまだ大きいけれど、私は今日もそのサンダルでアスファルトに挑む。華奢なサンダルは一歩踏み出すたびに足の柔らかい皮膚にめり込む。私の足を傷つける黒のエナメル。 纏足をしたわけでもないのに大きく育つことのなかったこの足で、私はたびたび転びながら、足を捻りながら歩いてきた。歪に変形し、黒ずみ、硬くなった足だが、恐怖を覚えるほど丁寧に愛でられたことが一度だけある。 その人は私の裸足を掴み、目の高さほどに上げて観察するような素振りを見せた。薄暗闇で細かい造作の違いまでは判らないだろうが、骨の凹凸は手探りでわかるはずだ。暫くして足の指一本一本の先まで、輪郭を…

続きを読む